インタビュー
- 新人だった私にできた唯一のことは、目の前の利用者様に笑いかけることでした。
- 私がまだ学生だった頃は、高齢者施設というとすごく暗いイメージがありました。それが在学中にはじめて吹田の岸部にある寿楽荘を訪れたとき、今までのイメージがガラっと変わったのを今でも覚えています。だから寿楽荘に入職を決めてからの数ヶ月間は、仕事に対する不安もほとんどありませんでした。だけど、いざ職員として現場に立つと、実習生の頃とは比べものにならないほどやることが多くて…。そのときはじめて、お給料をいただいて働くことの大変さを痛感しました。そんな右も左もわからない私にできる唯一のことは、目の前の利用者様にたくさん笑いかけることしかありませんでした。だけどある日、利用者様から「仕事はまだまだだけど、笑顔だけは一人前」と言ってもらったんです。何もできない私でも見守ってくれている人がいるんだと気付いたとき、私はここで一人前の介護職になると心に誓いました。
- 女性の「働きたい」という気持ちを大切にしてくれる環境があります。
- 入職したばかりの頃、この先もし結婚したら、仕事と家事の両立は難しい、ましてや子供が産まれたら、仕事と育児の両立が私には無理だと思っていました。ただ、いざ自分がそのような状況になってみると、やっぱりここで働き続けたいという気持ちが強くなってしまって…。ちょうどその育休中に、新設予定だった今の竹谷生活リハビリハウスで働いてみないかというお話を施設長からいただいたんです。夜勤がないデイサービスなら、子育てをしながらでも仕事を続けることができる!ということで、私は竹谷生活リハビリハウスで働くことになりました。“働きたい”という思いを大切にしてもらえたことは、本当に嬉しかったです。それに仕事と育児には共通する部分もたくさんあるので、以前よりも自分の気持ちをコントロールしやすくなりました。優先順位をつけながら動けるようになったことも、自分自身の成長だと感じています。こんなふうに社会とつながっていたいという女性はきっとたくさんいると思うので、それを叶えてくれた施設のみなさんには本当に感謝しています。
- 「介護職になってよかった」と心の底から思えた利用者様との出会い。
- まだ寿楽荘に勤めていた頃、私はある利用者様と出会いました。その方はとても厳しい方だったので、当時の私は仕事のダメ出しをされるたびに肩を落としていましたね(笑)。それからしばらくしてデイサービスへの異動が決まったとき、私はその方のお部屋に足を運んで異動のことを伝えました。するとその方は、しばらく背中を向けたまま何も言わずにベランダで育てていたナデシコの花を見つめていました。そして突然、小さな声で「よくここまで頑張ってきたね。この花みたいに強くて優しい子だといつも思っていたよ」と言ってくださったんです。自然と涙がこみ上げました。そしてそれは、「介護職になってよかった」と心の底から思えた瞬間でもありました。
- 人生の大先輩から多くのことを学び、一緒に成長していきましょう!!
- 将来の夢や目標は人それぞれですが、私はとにかくここにいる人と時間をつないでいる“今”を何よりも大切にしたいと思っています。特別な知識や技術を身につけるのはもちろんですが、まずは目の前にいる人の気持ちを理解したいと思う気持ちがなければ支援をはじめることはできません。それにこの仕事は何かをしてあげることだと誤解されがちですが、そんなことはないんですよ。人生の大先輩からは、教わることの方が多いんです。皆さんには、その中で成長していく自分の姿をぜひ味わっていただきたいですね。